風力発電向け診断サービスは、販売パートナーである株式会社WEST JECとの連携により提供しています。
風力発電設備の診断・状態監視に、電気信号解析(ESA)を活用します。発電機の電流・電圧から発電機や駆動系の異常徴候を評価し、風況・SCADAの運転データと照合して保全判断を支援します。適切な信号を取得できる設備では、タワー基部の制御盤から計測できます。
風力タービン診断における保守課題
風力発電設備の保守において、最も大きなコスト要因の一つがナセルへのアクセスです。タワー頂部に設置されたナセルへの登頂作業は、高所作業に伴う安全リスク・悪天候による作業制限・熟練技術者の確保といった課題を伴います。洋上風力ではさらに船舶のチャーターコストが加わります。
一方、風力タービンの主要部品——発電機・ギアボックス・主軸軸受——の故障は、修理コストだけでなく、部品調達・クレーン手配・長期停止による発電損失を引き起こします。
風力発電の保全では、異常を早期に把握するとともに、診断に伴う作業負担や安全上のリスクを抑えることが重要です。
ESAが風力診断に有効な理由
電気信号解析技術(ESA)は、発電機の電流・電圧信号を解析し、電気系・機械系の異常徴候を評価します。タワー基部で適切な信号を取得できる場合は、ナセルへの登頂を伴わずに計測できます。測定可能な場所と診断範囲は、発電機・変換器の構成、測定点、運転条件により異なります。
発電機の電流・電圧信号には、発電機自身の状態だけでなく、増速機(ギアボックス)・主軸軸受・ブレードの運転状態が反映されています。機械系の変動が発電機のトルク・回転速度・磁束に影響し、電気信号に現れるためです。その現れ方は、駆動系の構造や制御、運転条件によって変わります。
さらに、風況データやSCADAデータとの統合解析により、風速・出力・回転数といった運転条件を考慮した診断が可能になります。ブレードや駆動系の変動についても、これらのデータと照合して評価します。作業時間は測定点へのアクセス、取得条件、データ数によって異なり、事前確認のうえでご案内します。
評価対象となる部位と異常徴候
以下は主な評価対象です。すべての異常を検出できることを保証するものではなく、測定条件と設備構造に応じて診断可能性を確認します。
発電機
- 固定子巻線に関連する電気的不均衡・異常徴候(絶縁状態の確定には絶縁抵抗測定などの追加検査が必要です)
- 回転子バー破損(誘導発電機)
- 主軸偏心
- スリップリング(集電環)の損傷
- 軸受損傷
増速機(ギアボックス)
- 歯車の欠け・摩耗
- 軸受損傷
- アンバランス・ミスアライメント
主軸・ブレード系統
- 主軸偏心
- ブレード不均衡(風況・SCADAデータとの統合解析による評価)
電力品質・環境要因
- 変換器などに起因する高調波電流(高調波だけでは軸電流・軸受電流や電食を確定できず、必要に応じて専用測定・点検を行います)
- 負荷変動・出力不安定
TRIPODの風力診断実績
株式会社TRIPODは、陸上風力発電所において誘導発電機・同期発電機を含む複数の風力タービンに対してESA診断を実施しています。診断の結果、乱流によるブレードの空力的不均衡・主軸受の異常・増速機(歯車・軸受)の異常・発電機軸受の異常など、複合的な異常が検出されたケースが複数あります。
いずれの診断もタワー基部からの計測のみで完結しており、ナセル登頂なしに詳細な状態評価を提供しています。診断結果は定量的なレポートとして提供され、O&M計画の判断材料として活用されています。
風力タービン診断の技術解説
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導入の流れ
対象設備・台数・診断目的をご連絡ください。現地条件(制御盤の仕様・測定点の確認)をヒアリングします。
制御盤での測定点の確認と、診断プロトコルの設計を行います。測定点がナセルに限られる機種については事前に確認します。
測定点と安全な作業条件を確認し、必要な運転条件でデータを取得します。所要時間や同日に診断できる台数は、現地条件に応じてご案内します。
取得したデータを解析し、部位ごとの状態評価・異常の有無・推奨対応を記載した診断レポートを提出します。
診断結果に基づく点検・修理後の再診断、定期診断契約にも対応します。
診断のご相談
対象風車の台数、発電機・変換器の形式、確認したい症状をお知らせください。設備図や定格、測定点、風況・SCADAデータの有無を確認し、測定・解析の進め方をご案内します。日本語・英語で対応します。
診断結果は、測定条件、確認した特徴、評価の根拠、推奨対応をまとめて報告します。追加確認が必要な点や、測定・評価できる範囲も併せてご説明します。


